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空ヲ見上ゲル、
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こんばんは。ぷぅです。

いつになくテンション低目なのは、緊張しているからです。

まーるで、生まれたての子羊ちゃん状態なのです。

何故かと言うと、あの素敵小説群「恋愛シリーズ」第三弾『恋輪』の外伝。
あー、えー、その外伝を書かせていただいたのです。

うっはー。


ちなみに本家本元のこのお三方は

天然と計算のあいだ。  の   彩世 さん。

進まない1秒。   の   綾瀬 さん。

ねこまたまめとにらめっこ  の  yumi さん。

まずは!まずは!行ってらっしゃい!!!











読みましたか?読みましたね? 




えー。

例の如く、言い訳、というかなんかもう言い訳すればするほど酷いことになりそうなので。



恋輪外伝、後半です。









想い続ければ いつか通じる なんて



嘘だって わかってた



□■□■□■



 想イ、動ク









空は、憎たらしいくらいに晴ればれしていた。




「んー、快晴ッ」

「げ、元気だねアネゴ・・・」


天気予報は一週間前から「晴れ」と予想されていて、
テレビの画面には貼り付けたみたく太陽マークが並んで笑っていて、
一昨日も、昨日も、もちろん今日も、
「せめて曇ってくれないかなー」とかいって空を見上げている乙女たちの願いをまるで無視して、空には一片の曇りもなかった。

「今日さー」

「んー?」

ちょうど案内係らしい人がくれたパンフレットを開きながら、アネゴの声に耳を傾ける。

「アンタ、どこまわんの」

「えーと、まずオープニングセレモニーは参加する」

「すんの?それ参加自由だよ」

「大学全体の雰囲気がつかめるかなあって」

「んもー、真面目だな」

あたしは参加しないつもりでいたんだけど、とアネゴは貰ったばかりのパンフレットをサンバイザー代わりにしてしまっている。

「一人で大丈夫だよね」

「うん」

「あたしはまわりたいとこだけぱぱっとまわってくるよ」

「ん」

じゃーね、と手を振るアネゴと別れて、少女は講堂へ足を向ける。






「あ」





びっくりした。
考えてることがそのまま頭のから現実に溶け出したみたいに。

あの人が、そこにいた。



何か話してる。










「なんだ・・・」

・・・本人かと思った。
雰囲気はそっくりだけど、声が違う。
あの人よりも、ちょっと低くて、落ち着いた。

どんなに遠くても、声を聞き違えたりなんかしない。







※ ※ ※

声を聞くだけで。

似た人を見つけるだけで。

こんなに苦しくなる気持ちを、ほかになんと呼べばいいのだろう。

結局、せっかく参加したオープニングセレモニーも、そのあとのキャンパスツアーも、なんだかぼんやり過ごしてしまった。
あの人も来てるはずなのに、ぜんぜん会わなかった。

「ばか」

そっと自分に毒づいてみても、なんだか胸からのどにあがってきた変な味のするカタマリは、消える気配もなかった。

いつも、心のどこかで期待してる。

会えないかな。声、聞けないかな。遠くからみるだけでも・・・って。 
いつもいつも期待するだけで。
視線も、想いも、一方通行だってわかってるのに。
わかってるのに、視線をそらせない私は・・・。




「これ落としたよ。」

もの思いから急浮上すると。

うわわわわわー!!!
ほ、本人!!

「あ、ありがとう!」






あんなに願っていたのに。
声を聴くと、あの人が目の前にいると、今すぐこの場から逃げ出したくなる。
逃げ出したいのに、体は動かない。
拾ってもらった本を抱きしめると、精一杯目線を伏せた。

「アリス好きなの?俺も持ってるよ」

「う、うん」

「他にも面白い本ある?良かったら今度教えて」

「・・・うん」



※ ※ ※



「もおーもったいないなあ」

「わかってるよ・・・私だって・・・」

「はいはい、ブーたれない」

「だって」

「まーでも進歩なんじゃない」

「進歩?」

「会話、できたじゃん」

「そっか」

「・・・ところで」

「え?」

「アレはなんなわけ」

アネゴの指差した先には。

「あー・・・」

黒山の人だかり。
いや、女子大生だかり。
そしてその中心に。

「かこまれてるみたい、彼」

「もてもてじゃん。アンタ、」

「ん」

「敵は多いぞ」

「わかってるよ・・・」

十分わかってる。

「焦った顔したな」

「なんでそれで笑ってるの」

「いや、あんたも進歩したなあ、と思って」

「え、な、なんで」

カフェの二人席、むかいがわに座っているアネゴの方に頭を寄せるようにすると、アネゴはニコニコしながら、口だけを動かして言った。


や、き、も、ち。


「んな、な」

アネゴに精一杯の抗議をしようとさらに身を乗り出したその時。


「兄さん!」


間違えるはずがない。あの人の声がした。

「あ」

振り向いた先には。
あの人。
・・・と。

「お兄さん!?」

「ど、どうしたの」

「朝見たのあの人」

「って、『お兄さん』を?」

「うん。そっくりだなあって思って・・・」

「確かに似てるけど・・・」

「と、遠くから見ただけなんだけど。でも声が違うと思って」

「声?そんなに違うかなあー。でもさ、」

「うん」

「お兄さんもオトコマエだよね」

「うん」

「あの兄弟がこのカフェに入ってきた瞬間に、女子学生の視線釘付けだもん」

「・・・」

「あ、でも彼のほうがかっこいいか」

「うん…って、」

「あ、赤くなったー」

「もう、やめてよー」

そんなことを言い合っている間に、例の兄弟は女子大生をどのような方法でか散らし、カフェの隅に仲良く座っっていた。

「コラ」

「え?」

「あんまりじっと見ないの」

「あ、はい」

「あ、そういえばさあ・・・」

そこからアネゴが今日の学部見学の間にみかけたというカップルの話で、思いの外盛り上がった。

「・・・でもさ、その痴話げんかカップルの彼氏のほうが、 ホントに変なかっこうでさ、なんか深刻なんだろうけど、笑っちゃった」

「どんな格好だったの?」

「それがね、」

「待った」

「なに?」

彼が立ち上がったのが見えたのだ。

アネゴも私の視線の先にいる人物に気付くと、黙ってくれた。

















なんだか、嫌な予感がした。














「お久しぶりです」


聞こえるはずのない距離で、聞こえるはずのない彼の言葉が聞こえた。








いやだ。


直感が、告げている。














「・・・・・・あの人」

「ん?」

「あの女の人だ・・・」




彼がずっと見ていた人。









「今日は大学見学だったんです」








「あの人…この大学の学生なんだ」

彼の目が、悲しげに伏せられたのを見た。







やっぱり。




声にならない悲鳴が



私の胸を、つかむ。




彼はいつだってクールで


軽やかで


本心をあかすこともない



あの人の前以外では。




「いや…」

「え?」


彼の顔が輝く。
何が起きたのだろう。

彼は右手の小指を差し出す。
その人の小指が、そっと添えられる。



ゆびきりげんまん。




今、あの人はどんな顔をしているのだろう。

彼女はこちらに背を向ける恰好で座っていて、その表情を窺い知ることはできない。

その顔は、喜びに輝いているだろうか。




「ちょっ、ちょっと」

「え?」

「座ったら?」

「あ…」

我知らず立ち上がっていたらしい。


「もう、知らない」

「え?」

「もう知らないっ」

勢いに任せて、そのままカフェを飛び出した。

今まで感じたことのないような衝動に突き動かされて。








空は憎たらしいほど、晴れていた。


快晴。


一片の曇りもない青空に、ただ一筋の飛行機雲。






fin.


□■□■□■□
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